あいちトリエンナーレ#2 「豊田東高校」 高嶺格
豊田東高校プールと喜楽亭旅館アポリアは空間体験を蝶番として、好一対を成していると思います。
喜楽亭は視覚以前の摩擦と振動による手探りの空間体験、一方豊田東高校プールは視覚を通り越して脳内にしか存在しない空間体験、という双璧なのだと思うのです。
これは是非とも夏の日差しの中で、白昼夢のように屹立するさまが見たい作品。
この作品があるから、トリエンナーレもクソ暑い真夏に開催する意義があるというものです。
蝉しぐれの中で眺めていると巨大な墓石のように思えてきます。
しかし…どうやって剥がしたんだ(笑)!
アリエナイ。この剥がれ方切れ方のキレイさがアリエナイ。
その謎を解くためにアマゾンの奥地に向かいたい。
プールの底が、とにかくもの凄くキレイにスッパッッと切れて立ち上がっていて、ゆえに白昼夢の、仮想現実の中の出来事のようでもあります。
これも凄い作品。あれだけの圧倒的な物量がありながら、音がない。
この、音のなさはどこからくるのか。