アトリエ棟と生活棟、二つの大屋根の下に小さな小屋が集まってできた住まいです。
アトリエ棟と生活棟、それぞれに対応する二つの大屋根を作り、向きの異なる切妻の屋根架構を重ね合わせるように架ける単純な図式で全体を構成しています。
二つの切妻架構のぶつかるところはオープンな中間領域になっており、家族が集まる場として考えられています。
敷地は方向性の異なる区割りと区割りがぶつかり合う場所にあるため、町と接続する要素としてそのぶつかり合いを架構同士の関係として取り入れました。
この家は時に建主主宰のアートプログラム「ARTIMEET」のスタジオへと変化する器として考えられています。イベントはその時々で内容や規模が変わり家族との距離も都度変化します。そこで全体を大きく二つに仕分けた上で、その中間的な領域を建具によって3段階くらいに変化させられるよう設計しました。
8畳の比較的閉じたアトリエ、いわゆるお客様を応対する空間。続きの居間部分まで使えば親子向けに10名程度のワークショップができます。親しい友人一家はダイニングまで通してのびのびと。開き度合いの違いはあってもプライベートが守られるよう工夫しました。
House in Zengo : The relation between parts and the whole
This house is considered as a changing vessel, sometimes change to the studio of art events. We first thought about a simple diagram adopting two axis from devision of the site.Schemes are useful as a trigger for organizing relationships, but sometimes spoils space if it’s overprinted.Therefore, the scheme once introduced, is disintegrated afterwards according to the micro circumstances and reapplied to the parts. The whole way of appearance also changes depending on the relationship of the parts redefined each time.
作品名:前後の家
構造設計:モヴ構造設計 金山美登利
主要用途:専用住宅
設計期間:2014~2017
工事期間:2018
竣工年:2018.1月
所在地:愛知県
構造:木造
規模:地上2階/約140㎡
施工者:誠和建設
写真撮影:谷川ヒロシ
雑誌掲載:
新建築住宅特集 2018年6月号
建築知識 2018年4月号
季刊ディテール No.220 2019年春季号
新しい住まいの設計 2021年8月号