やまさと保育園増築棟

保育園の増築です。

擁壁と既存建物に囲まれた場所に面を張ることで場所をつくりました。

擁壁の間に面を張る/土木と保育を取り持つ極小建築

名古屋市内の保育園の事務棟の増築計画。 

シュタイナー保育で有名な園でシュタイナー教育にふさわしい保育空間にするため90年代初頭から順次改修が行われ、笠嶋淑恵氏による遊戯室の改修は新建築にも取り上げられている。 

既存園舎はRCの二階建て、八事の丘陵地の北斜面に建つ。斜面は比較的急で、園舎の南側はわずかな園庭を残して間知擁壁が2段にそびえ、その総高さは7mを超える。園舎と擁壁の間のわずかな空間を利用して、新たに事務棟を作る計画である。 

擁壁との関係で、園舎の体験は1階と2階では見える風景も環境も全く異なる。

1階の園庭は擁壁と建物に囲まれることで、室内的な場所になっている。

2階に上がると環境は一転し、外廊下越しの眼前に雑木林の斜面が広がっている。 

この擁壁と既存園舎との関係を形にするため、両者の間を取り持つ新たな面を張るのが良いのではないかと考えた。 擁壁の上から1階の軒下に滑り込む薄い斜面を張り、その下を一階、その上に二階の小屋を乗せる形とした。 

1階は建物の外形はもはやなく、擁壁の内のりをそのまま室内にしたような形である。もともとの擁壁に囲まれた内部的な空間が実際に内部として現れている。ここは職員室として園庭に対しては開き、斜面が軒となって既存園舎のサッシとも連続して見える作りとしている。 

2階は面談用の小さな室が一つあるだけだが、これは新たな斜面の上に束立でのせた。 

この計画は土木の造作を建築でプロセスして保育空間として使えるように噛み砕く作業だと考えている。 


プロジェクト名:やまさと保育園増築棟

主要用途:保育所

工事種別:増築・改修

設計期間:2019.6〜2020.8

工事期間:2020.8〜2021.3

所在地:愛知県

規模:地上2階/約50㎡

施工:箱屋 松本繁雄

写真撮影:Tololo Studio

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